田舎暮らしに憧れながら、
ベランダ菜園づくり・・・。
たくさんの花や野菜のうちから好きな苗を選んで、ポットと用土を準備します。
各種の講習や、テキストなどで、深いプランターにたっぷりの用土を入れて、種子を撒く、ということを教えている場合があります。ベランダや屋上庭園にも、それなりの設備を整えることで、本格的な栽培が期待できるようです。
排水溝に泥が溜まり、さまざまな虫、場合によっては、大きなカマキリの住処となり、ヤモリが湿った床に張り付くようになることを、少しも厭わないなら、挑戦してみてもいいかもしれません。さらに、やがては大掛かりな植え付けをする時間的余裕がなくなり、古土が一杯につまった大きなプランターやポットが山積みになってしまうことも、あり得るのです。
また、古土の再利用にあたり、ふるいで振って異物を取り除いて土を細かく砕くことが説かれていることがあります。この作業により、花粉症が重症化することがあります。土のリサイクルは、ビニール袋に使用後の土を入れて日光消毒したら、新しい培養土にざっくりと混ぜるだけでよくありませんか?
趣味的な体験からおすすめできるのは、必要最低限の大きさのポットや小ぶりなプランターを利用して栽培することです。マンションでも、専用庭があれば、地植えが楽しめます。ですが、地植えで大きく育てても、梅雨期以降には葉が蒸れてくることがあります。せっかくの株を、枯らしてしまうのでは何もなりません。鉢植えの方が手入れもしやすく、多年性の株を長く元気に保てる場合があります。手軽にやった方が、長続きするでしょうね。
種まきして発芽させる喜びもありますが、収穫までの期間が長くなり思わぬ手間がかかるのも事実です。大抵の場合、種子からよりも、苗から育てる方がいいですよ。
パセリやリーフレタスなら、明日にも一葉を折って収穫できるくらいに育っているもの、ミニトマトなら、もう小さな実がついていて、色づくのを待つばかりになっているもの、そんな苗を選ぶのでいいと思います。
初心者向きの野菜なら、トマトやトウモロコシ、ナスなどがあげられます。ただ、これは、露地植えの場合であり、ポット植えにするとかえって手がかかります。
ベランダ栽培に向いているのは、レタスやホウレンソウなどの葉物野菜にパセリなどのハーブです。少し生育したら、苗を傷めない程度に摘み取り、収穫しながら株を育てます。チャイブ(小ネギの一種)、バジル、オオバ、ルッコラなど、パスタにもご飯にも合う香草はたくさんあります。また、ミニトマトや、オリーブ、梅などの果樹もポット植えが可能です。
ハーブは、サラダやスープに適するだけではなく、肉や魚の臭みをとり、消化を助けるなどの薬効があります。また、セージやローズマリー、スペアミントなどは、気分転換になるハーブテイーをブレンドするときに欠かせません。香草として料理に使うだけではなく、飲用にして健康増進が期待できるものが種々多様にあります。ポプリなどにも、広く用いられています。
しかも、もともと野草なので、手をかけずに一年中楽しむことができます。一般の野菜のように、支柱を立てたり、ビニールをかぶせたりという手間をほとんど必要としません。
セージ。肉料理に合い、ソーセージは、
注意しなくてはならないのは、多くの植物が集められている園芸店で、すでに野菜の苗に虫がついている場合があることです。成長に必要な肥料を与えられているために、余計に虫がつきやすい状態になっています。
自宅に持ち帰り、葉と茎の部分を、水を入れたバケツの中に水没させて、虫を死滅させる方法があります。無論、野菜用の殺虫・殺菌スプレーも市販されていますので、利用します。
また、ポットの底の穴からゾウリ虫やナメクジが上がってくることがあります。自宅のポットに植え替えをする場合には、必ず鉢底にネット(網)を敷きます。
水遣りや肥料は、それぞれの花や野菜の栽培方法に応じて行います。
ベランダは意外に気象条件が過酷です。小さなポットでは、すぐに乾いてしまいがちですが、そのまま、ひと回り大きなポットやプランターを鉢カバー代わりに利用すると、乾燥をふせげます。照り返しが強いときには、床にスノコを敷いたり半日陰を作るようにします。
天然素材の「虫よけ肥料」も販売されています。
また、ローズマリーやゼラニウムなど、丈夫なハーブの鉢を常備しておくと便利です。それらの葉を乾燥させて用土に混ぜると、虫よけ効果を発揮します。
鴨長明「方丈記」には、庵の北に「少地」を園として「もろもろの薬草」を植えているとあります。そして、「あばらなるひの垣」で園を囲っていたと書かれています。ヒノキの幹や葉から採れる精油は、香料や薬用になります。ヒノキの幼樹を植えていたか、自生のものを利用していた可能性がうかがえます。薬草については、種類などは書かれていません。
ただ、当時、今日のハーブと似たような草はありました。例えば、二ホンハッカは、12世紀に渡来したとも、既に自生していたとも言われます。タンポポは、平安初期の「本草和名」に、「蒲公草」として記されています。
食生活を豊かにし、健康増進、虫よけにも役立つ薬草には、興味が尽きません。もしも、山郷に住んだら、やはりハーブ園を営んでみたいものです。 (2014年春)
「ちょっと、畑に寄って行くね」
農園デビュー 2015晩夏
市民農園はなかなかピタリとくる立地のところがなくて…。
そう思っていたら、シェア農園新設のチラシがポストに届けられました。バスでも車でも自転車でも、歩きでも大丈夫な距離で、閑静なところです。
住宅街のなかに、プチ田園生活が復活しそうです…。
貸し農園は、体験的な学習の場として、自宅のベランダや庭とはまた違う楽しみがあります。地域の人々と共有できる集いの場にもなります。街中にあるものだけではなく、無論、郊外型や滞在型(山里)など様々な形態がありす。
公共団体や農協が運営するものだけではなく、農地所有者が開設するタイプが登場していて、大抵の場合、民間事業所が実際の運営をします。農具や水道、堆肥、種、苗など必要なものをみな提供してくれて、栽培の講習やアドバイスのほか、各種のサポートがオプションで用意されています。限られた面積の一区画を借りるわけですが、使用料に様々なサービス料を加えると、相応の価格となります。ですが、それに見合う付加価値と利便性があります。
貸し農園は、自家用の野菜を栽培する目的で利用できるレクレーションの場とされています。基本的に有機栽培を行いますので、健康や食育のためになり、そこが注目されるポイントです。環境にも優しいことになります。全国的に広まってもらいたい事業ですね。
さあ、有機肥料を混ぜた畑で、畝作りをする時期だと教えられました…。
貸し農園で、無農薬で自分で栽培すれば、安心安全な野菜を手に入れることができます。畝作りから作付け計画まで教えてもらえますので、初めて栽培する野菜にも何の心配もなくチャレンジできます。太陽の下で土に触れることや、農作業による健康効果もあります。
いいことずくめですが、曇天でも、畑での作業は体力を消耗します。紫外線対策と熱中症予防を忘れないようにしましょう。早朝や日没後にも作業をさせてもらえるのは、嬉しいですね。
また、益虫だけではなく、様々な害虫が増えやすい場です。農薬以外の病虫害対策をします。それでも、プランター栽培よりは、畑の野菜は虫害に強いそうです!
野菜の姿と形は、とても多彩で、食べるための植物と言えそうです。草食系という言葉、流行りましたけどね。そういえば、農耕民族ということが盛んに言われたことも、ありました。
菜園の体験は、食とか、農耕とか、そんなことを、考える契機にもなりそうです。
種類の異なる野菜を混植する(一緒に植える)ことで、互いが影響しあい、病虫害を抑えることがあります。また、風味のよい作物に育ったり、生育がよくなる場合もあります。そういった組み合わせを、コンパニオンプランツ(共栄作物)と言います。
互いによい効果をもたらす作物の組み合わせと、ある植物が付近の植物に一方的によい効果を与える場合があります。反対に、生育によくない影響のでる植物の組み合わせもあります。
コンパニオンプランツをうまく利用することで、農薬、肥料をなくすことができるはずだということになります。ただ、実に様々な植物の組み合わせがあり、その効果については、科学的な根拠がある場合もありますが、単に経験的に言われていることも多くあります。上手な活用には、課題が多くありそうです。
代表的なコンパニオンプランツについて、書き出してみましょう。
キク科コウオウソウ属のうち、草花として栽培されるものの総称がマリーゴールドです。根に線虫の防除効果があることは、科学的な根拠が確認されています。連作障害の恐れがあるときに用いることで、病害を抑制することができます。
ナス科には、ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなどがあります。
トマトは乾燥を好み、バジルは水分を好みます。余分な水分をバジルが吸収してくれます。
キュウリなどのウリ科野菜とネギを一緒に植え付けると、ネギの根からでる抗菌物質のために、キュウリのつる割れ病などを防ぐ効果があります。
ウリ科野菜は、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロンなどです。
ネギ類とは、長ネギ、ニンニク、ニラ、チャイブなどです。
アブラナ科野菜につくモンシロチョウは、キク科のレタスなどを避けます。キク科野菜は、アブラナ科野菜が蝶に卵を産み付けられるのを防ぐことができます。
アブラナ科野菜には、大根、白菜、キャベツ、ブロッコリー、カブ、菜花、小松菜、チンゲン菜、からし菜、ルッコラなどがあります。
キク科野菜は、リーフレタス、シュンギク、サラダ菜などです。
香りの強いハーブを野菜の近くに植えておくと、害虫が近寄らなくなる効果があります。
ハーブには、バジル、ミント、ローズマリー、セージ、タイム(シソ科)、パセリ、イタリアンパセリ(セリ科)、カモミール(キク科)など数多くの種類があります。
ミント類は、特に殺菌効果をもち、キャベツやカブ、トマトなど野菜全般によい効果があるとされています。香りを害虫が嫌い寄り付かなくなりますが、繁殖力が旺盛なので、野菜との混植には問題があります。香りによる効果を期待して、鉢植えとして近くに置くようにします。
セージは、キャベツなどアブラナ科の野菜にモンシロチョウが卵を産むことを防ぐ効果があり、ローズマリーとも相性がいいハーブです。ただし、キュウリとは相性がよくなく、生育を妨げます。
緑肥とは、栽培した植物をそのまま田畑にすきこみ、後から栽培する作物の肥料にすることです。緑肥には、マメ科、イネ科の植物が多いといわれています。
マリーゴールドは、混植されるだけではなく、害虫防除のための緑肥としてもよく用いられています。株が枯れてしまう前に、すきこみます。