Book review

        東京郊外の作家についての書籍をご紹介しています。

   最新刊 Dioの会の本は、このページの下段です・・・ 


        『三鷹という街を書く太宰治 陋屋の机に頬杖ついて』
        『「宵待草」ノート 竹久夢二と大正リベラルズ』

         『三木露風評伝ー求道の詩人の生と作品』
                Dio BOOKS -ご購入案内-
   
”三木露風文学館”のトップページら、ご質問、お問い合わせができます。- 
 

『赤とんぼ 三木露風童謡詩集』 

福嶋朝治 編  雨田光弘 絵  三木卓・上笙一郎 解説
CD付き(稲村なおこ 歌、長谷川芙佐子 ピアノ)


<収録作品の目次>
1.春が来ました〈四季の歌〉
2.夕やけ小やけの赤とんぼ〈ふるさとの歌〉
3.お手々は口に〈わらべ歌・子守歌〉
4.ちんころ子犬(子どもの生活と遊びの歌)
5.ぶくぶく泉〈ファンタジーの歌〉
6.賢きのばら〈信仰の歌〉

―象徴詩で知られる三木露風が、子供たちがうえたる童謡を作詩したなかから、紹介しています。編者による平易な露風略年譜や解説があります。近代日本の代表的童謡といえる「赤とんぼ」のほか、「お日さま」「真珠島」「ふるさとの」「宵闇」など、抒情あふれる詩にして童心をうたう美しい作品の数々が、露風の初めての童謡詩集としてまとめられました。CDからも楽曲でお楽しみいただけます。―


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douyo
1524円+税
ネット武蔵野 2006年)

honto



『大正・昭和の“童心”と山本有三』

山本有三記念館 編 
上笙一郎、中村悦子、遠藤寛子、関口安義、長谷川潮、宮川健郎、久米依子、福嶋朝治、本間正幸、神林淳子、品川洋子 著

<目次概要>
口絵 年表で振り返る・山本有三と児童書の歴史
はじめに 山本有三という「媒介者」
第一部 座談会・子どものための叢書と山本有三
第二部 山本有三企画『日本少国民文庫』の世界
第三部 戦争を挟んだ山本有三の仕事から
第四部 スローライフな“子供の心”の表現

―大正期の童心主義の運動にはかかわらなかった山本有三ですが、昭和10年になってから叢書『日本少国民文庫』を編纂します。自由主義的な立場から、子供の読みものとしての児童書が企画されたのでした。有三が若い世代の文学者たちを指導して編纂した『日本少国民文庫』から、教育的な児童文学が始まったとも考えられます。童心の文学運動と児童書・児童文化の流れを、精鋭の執筆陣が論評しながら、有三の万人のための仕事を位置付けます。『日本少国民文庫』の世界に加えて、第四章では、近代の童心の文化として、三木露風の埋もれていた詩や竹久夢二の童謡をも有三文学と共に論じ、独自な観点を示しています。―


1400円 +税
笠間書院2005年)

honto

『山本有三と三鷹の家と郊外生活』 

山本有三記念館 編 
友田博通、上笙一郎、福嶋朝治、品川洋子 著

<目次概要>
はじめに―玉川上水沿いの有三旧居
万人のための文学
東京圏の小説
転機と児童書
山本有三の郊外生活
三鷹と周辺に住んだ作家―昭和初期を中心に
有三関連図書の紹介、文献表など

―有三が小説「路傍の石」と戯曲「米百俵」を書いた三鷹の家を視点として、彼の幅広い業績を評価し、その文学を探求した一冊です。洋館に和室を設けた有三一家の住生活についても、資料をビジュアルに紹介しながら解説します。当時の住居については、建築史(友田博通)の方からも考察を加えました。また、五章は、昭和初期に三鷹とその周辺に住んだ農本主義の作家、児童文学者、雨情、実篤、夢二、露風、中也、太宰にも言及しています。コンパクトながら、郊外の近代文学史序章となっています。―


   *山本有三略歴のページを見る ← クjリック


700円+税
 (はる書房 2006年)


honto
 

『みんなで読もう 山本有三』 

山本有三記念館 編 
今村忠純、岩淵宏子、尾崎るみ、上笙一郎、瀬戸口郁、品川洋子、島村輝、早川正信、林廣親、布川純子、福嶋朝治、宮川健郎、宮里立士、武藤康史 著(書き下ろした著者名・50音順)

<目次概要>
口絵 有三筆跡「心に太陽を持て くちびるに歌を持て」「自然は急がない」
巻頭エッセイ
作品を読む
小説/「生きとし生けるもの」「波」「女の一生」ほか
戯曲/「生命の冠」「坂崎出羽守」「ウミヒコ・ヤマヒコ」ほか
短編・中編ほか/「子役」「ふしゃくしんみょう」ほか
有三論を読む
山本有三の劇と小説―旧さと新しさ(今村忠純)
先行論文の紹介/「憲法口語化と山本有三」ほか
有三を知る資料集
自筆資料「自然は命令をしない」「鴎外の翻訳物と自分(鴎外の翻訳と私)」
座談記事・全集未収録資料・著作表・略年譜

―近代文学の案内書では、「路傍の石」「真実一路」などはよく紹介されていますが、山本有三単独の鑑賞書は久々の刊行で、没後として初めてになります。開館10周年をむかえた山本有三記念館の発案で、執筆者代表(今村忠純)、編集委員(上笙一郎、布川純子、福嶋朝治、宮川健郎)を設けて企画されました。近年、話題になることの多い戯曲「米百俵」ほか幅広く有三文学を網羅して、専門家が中学生以上なら誰でもわかるように鑑賞の手引きをしています。さらに、自筆資料「鴎外の翻譯と私」など全集未収録資料や主要な既発表論文も収録しています。随筆を加えた著作表も有三については初めて作成されました。巻頭では、山本有三記念館で毎年、朗読会を開催している文学座俳優瀬戸口郁ほか、興味深いエッセイが読者に語りかけます。―


1900円+税
 (
笠間書院 2006年)

honto

三鷹で暮した「赤とんぼ」の詩人 三木露風の歩み』

(財)三鷹市芸術文化振興財団 編 
福嶋朝治 監修 佐藤伸宏、長倉久子、和田典子、福嶋朝治(三木露風研究会)、石澤いづみ、品川洋子 著 相原悦夫協力

<目次概要>
はじめに―「誠」の詩人、三木露風(福嶋朝治)
露風考
 『白き手の猟人』の世界―「恋の囀り」を読む―(佐藤伸宏)
 一期一会の露風先生(長倉久子)
 赤とんぼの故郷―「追憶」の情景を巡って―(和田典子)
 増殖する「赤とんぼ」(福嶋朝治)
露風の歩み
 三鷹牟礼で暮した三木露風
 復元紹介 未刊の三木露風自選集
 もう少し読もう―露風が書いた自然との共生
文献・資料リスト
付録 露風の散策路マップin三鷹

―露風が遺した後半生の原稿類をもとに、未刊の自選詩集の復元を試みた成果を裏付けにしてまとめられています。また、日記ノートなど豊富な資料により、露風の日常を見直し、彼の散策した経路がマップにまとめられました。童謡「赤とんぼ」や近代象徴詩への考察も進めながら、文壇から遠のいた後の詩人の静かな生活が明らかになっています。毎年、庭にとんぼが飛来することを楽しみにして暮らした露風の自然との共生について、考えさせられます。―

  *目次と最初のページを見る ← クリック


1000円+税
 (
はる書房 2007年)

honto
 

『太宰治 三鷹からのメッセージ 没後60年記念展』
                 (図録) [品切れとのことです]

(財)三鷹市芸術文化振興財団 編 監修・章解説 安藤宏
池内紀、福嶋朝治、相原悦夫、小船井美那子・島田怜子(みたか太宰の会)、木村小夜、松田哲夫 著

<目次概要>
あいさつ文(三鷹市長 清原慶子)
39年の生涯
太宰の歩み・三鷹の歩み
読まれ続けた60年
総論
資料編 
 太宰治略年譜―仕事場としての三鷹に着目しながら―
 主要出展資料一覧

―太宰治生誕100年に先駆け、満39歳になる直前になくなった彼の没後60年を記念した企画展の図録です。日本近代文学館、神奈川近代文学館、山梨県立文学館、青森近代文学館ほかご所蔵者が出展した書簡、原稿などの資料を掲載しています。専門の執筆陣がコラムや解説を書き、太宰治が作家としての中盤から後期を過ごした三鷹における太宰の姿を明らかにしています。略年譜は、三鷹時代を中心にまとめられ、社会の動向も添えられているため、戦時を生きた太宰への理解を助けます。「走れメロス」「斜陽」「ヴィヨンの妻」「人間失格」などは、三鷹入居後の名作ですが、作家と地域とのかかわりをいまさらながら気づかせてくれます。三鷹駅付近の陸橋でたたずむ太宰の写真(田村茂撮影)を用いた表紙デザインが、没後60年にふさわしい印象です。―
dazaimitaka
800円
(公財)三鷹市芸術文化振興財団 2008年)



【特選グッズ】
 太宰治クリアファイル

 (写真は、銀座のバー・ルパンにて 唱和21年11月 撮影:林忠彦)

   *色は、透明、ピンク、グリーンの3種があります。

 太宰治文学サロンでご購入できます。 (300円)


(公財)三鷹市スポーツと文化財団通販ストアには、この他にも、太宰治グッズ、山本有三グッズ、絵葉書、図録などが揃っています。


生誕100年記念
『三鷹という街を書く太宰治
「陋屋の机に頬杖ついて」


Dioの会編・発行 編集協力 品川洋子 はる書房

<目次概要>
 作品より
 〔陋屋の机に頬杖ついて〕
 鴎 乞食学生 花吹雪 作家の手帖
 〔陋巷のマリヤ〕
 十二月八日 ヴィヨンの妻 おさん 饗応夫人
 作品解説
 宮川健郎 土屋忍 福嶋朝治
 資料篇
 年表 三鷹があらわれた太宰治作品一覧(付略年譜)
 太宰治 ゆかりの地と半生の述懐
      -金木から下曽我まで-(萩原茂協力)
 「十二月八日」メモワール
あとがき(福嶋朝治)

―三鷹は、太宰治が故郷の次に長く住んだところです。田園の街に軍需工場が操業し、戦後は駅近くの繁華街が栄えた三鷹で、太宰は、個人的生活と街と時代を小説に書き続けました。特に、「十二月八日」は、太平洋戦争が勃発した日の三鷹の街と、夫である在郷作家の家庭生活を妻の語りを借りて描き出しています。「早速、瓶を集めて伊勢元に買いに行く。」とあるように、主婦たちが配給の酒を買う店は、現在の太宰治文学サロンの場所に実在していました。太宰は、故郷や好んで滞在した伊豆なども作中の舞台としています。彼は、実際に居住した地域とその風土を追想しながら、時代の推移の中の自身を述懐し作品化したとうかがえます。本書は、「陋巷」の様相を書き留める作者自身による作者の肖像の数々としての太宰文学をご案内します。― 

  *冒頭など一部のページを見る ← クリック           
dazai
1000円+税
(Dioの会 はる書房 2009年)


honto


『「宵待草」ノート
    -竹久夢二と大正リベラルズ-』


 図42点収録 はる書房 Dioの会編 品川洋子著

<目次概要>
 第一章 「いつも後姿を見せては歩いてゆく」夢二の代表作「宵待草」
 第二章 夢二と”草”
 ”草”について/マツヨイグサ、ツキミソウ、シャミセングサ・・・・、/釣鐘草-野の花と厭戦フォーク
 第三章 年表:夢二と「宵待草」-まてどくらせどこぬひとを-
 第四章 悲恋ばかりした夢二の代表歌として
悲恋から生まれた歌/夢二と民謡/啄木歌の受容と「まてどくらせどこぬひとを」の表現
 第五章 大正リベラリズムの文芸系譜
「絵筆」に生きた夢二/明治から大正へ①-独歩、啄木、蘆花-/明治から大正へ②-鴎外、露風-/夢二と太宰治
 あとがき・文献一覧


-大正ロマンの画家として知られる竹久夢二ですが、彼が作詩した「宵待草」(題名も夢二の造語でした)は、大正中期からさまざまな伝説に彩られながら広くうたわれました。はかない悲恋を繰り返しながら、絵画に詩文に才能を発揮して自由に生きた夢二の真の姿は、知られていないこと、理解されていないことが少なくありません。夢二と「宵待草」についての年表では、成立の背景と実態を探り、妻、たまきに宛てた書簡からは、石川啄木への傾倒をうかがいます。明治末の大逆事件の直後に結晶した詩「宵待草」ですが、独自な道を模索した夢二の詩を追究する試みを、一冊のノートに詰めました。-

                   
 まてどくらせどこぬひとを
 宵待草のやるせなさ

 こよひは月もでぬさうな。

                   

  肖像写真のあるページなどを見る ← クリック


               ⇒ 新宿・某書店5階 (2011.5.6 撮影)



  
yoimatigusa
1000円+税
(Dioの会 
はる書房 2011年)

紀伊国屋書店
ジュンク堂書店
丸善丸の内店
八重洲ブックセンター
旭屋書店
リブロ
三省堂書店
東京堂書店
有隣堂
アバンティブックセンター

啓文堂書店

*このほか全国の各書店で扱っていただいています。 






honto



『三木露風評伝‐求道の詩人の生と作品


 Dioの会版 福嶋朝治著 電子書籍パブ―


 近代詩の時代を牽引した詩人のひとりである三木露風の足跡を、丹念に跡付けた一冊です。詩壇での活躍だけではなく、トラピスト滞在、三鷹牟礼入居後までを注視して、初めて露風の全貌を評した伝記になります。埋もれていた後半生の詩作の解読は、この著者が長い年月をかけて積み上げてきたものです。
 
 三木露風文学館
により企画されたもので、前半までがこのサイトに掲載されています。


 ライフワークとして取り組んだ著者からのメッセージがあります。

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300円
(Dioの会版 電子書籍パブ―
 2016年)


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