活動・近況 報告


『児童文学研究』(2020年第53号 2021年3月15日発行)に、「研究ノート」として次のような発表をしました。

 <タイトル>

『赤い鳥』の童画家前島ともとその作品について ―綴方の挿絵と生活童画をめぐって―

<研究ノート・内容>

 1918(大正7)年7月に創刊した児童文芸雑誌『赤い鳥』において、
 1931(昭和6)年1月の復刊以降から活躍した唯一の女性童画家前島ともが描いた綴方(子どもの作文)の挿絵は、現実の光と闇を生きる様々な階級や境遇の子どもたちを主体として、その多様で複雑な生活の真実と子どもの個性を可視化して表現している。

また、新ニッポン童画会の創立会員でもあった前島ともの生活童画は、芸術的でモダンなロシア絵本に学び、そのイデオロギーをカモフラージュしつつ、子どもの生活と尊厳や権利を擁護する表現を追求した。

こうした前島の童画を、大正デモクラシーという文脈から、子どもの解放の表象として読み解いた。

(2021年5月)










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